「ハゲタカ」と「剣岳」
読み終えたばかりの原作本がたてつづけに映画化されたとあって、最近は密かに「ハゲタカ」と「剣岳」が個人ブームだ。
おかげで週末は早朝から高尾山に登り、下山の勢いそのままに午後の映画館へ駆け込むといった行動が続いている。
映画「ハゲタカ」は、2年前のNHKドラマ「ハゲタカ」のスタッフ、キャストのまま、”あれから4年後”を舞台に、新しい登場人物が加わって繰り広げられる国際M&Aの物語。大ヒットとなったTVドラマ「ハゲタカ」は、あらためて説明するまでもないが、小説「ハゲタカ」「ハゲタカ2(バイアウト)」とは、内容が異なっていた。
そして今回の映画「ハゲタカ」も、真山仁の最新小説「レッドゾーン」とはかなり違っている。
TVや映画の中では、”ゴールデンイーグル” の異名を持つ主人公 鷲津政彦をM&Aへと突き動かす油っぽい情欲や憎しみといったものがきれいに取り除かれて、代わりに「元銀行マンが背負った十字架」という、万人の良心に訴えるものへとすり替えられている。
まさにNHK版「ハゲタカ」だ。
換骨奪胎、大枠のストーリーは似ているものの、登場人物の設定と描写がここまで違うと、作品が訴えているメッセージまで違うもののように感じる。
ただ、映画も原作も、どちらも見事にエンターテイメントになっているところがスゴイ。
映画「剣岳」の方はというと、山男たちにはもう堪らない、の一言。
スクリーンの中では、役者以上に剣岳の自然のほうが、表情豊かな演技を見せてくれる。
この映画を観て、いつかは俺も剣岳へ!と思う人も多いはず。
かくいう自分がそうだ。
あと、宮崎あおい演じる新妻「葉津よ」がとびきりかわいい。
こればかりは、いつかは俺も!とはいかない。