7 posts tagged “江戸東京博物館”
現代の私たちが学校でならう漢字のカタチ~楷書も、その原型を辿っていくと、王義之(4世紀・晋代)の書へ行き着くのだそうだ。
北京の故宮博物院より門外不出とされてきた、この王義之の書「蘭亭序」が、江戸東京博物館で開催中の「北京故宮~書の名宝展」で目にすることができる。
「永和九年・・」の書き出しで始まる30行ほどの漢文「蘭亭序」は、前半には、”蘭亭”で催された歌会の様子、そして後半には国を憂うる王義之の気持ちが綴られているのだそうだ。
漢字ばかりの文章を目で追ってみても、その内容までは理解できない。
ただ、一文字づつを拾い上げるように見ていくと、その文字が持つ“美しさの黄金律”にハッとさせられる。
また、文中に何度も登場する同じ文字(たとえば「之」の字)が、必ずしも同じ書体で描かれていないことに気がつく。
展示解説によれば、これは同じ文字でも、その文脈にあわせて書体や書き方をあえて変えてあるのだそうだ。
なるほどねぇ。
手書き文字では、本来、こういう使い分けもできたのだ。
日ごろ余り手で文字を描かなくなった自分にとって、「書」がもつ美しさや楽しさなど、気づかされることが多い展示だった。
江戸東京博物館で開催中の「天璋院篤姫」展へ。
NHK大河ドラマ「篤姫」の宣伝用イベントかと期待せずにいたところ、徳川財団の特別協力によって提供された数々の貴重な資料によって、単にドラマの枠の収まりきらない徳川270年の興亡を知ることができる見どころ満載の展示になっている。
そのためにも「篤姫展」だけでなく、併催されている「転換期の徳川家~家康・吉宗・家達」展も一緒に見るのがいい。
「篤姫展」では、大河ドラマの中で篤姫の侍女・幾島を演じている松坂慶子が、音声ガイドで展示品解説のナレーターをつとめている。入場料とは別にこれ500円。
ただ、耳元で松坂慶子の幾島調ガイドを聞きながら、展示品の説明パネルの文字を目で読むのはなかなかの至難。
よほどの松坂慶子ファンでない限り、おすすめしない。
本当にこれがあの葛飾北斎の肉筆画なのだろうか?と、いまだに半信半疑を拭えないのが江戸東京博物館で開催中の「北斎~ヨーロッパを魅了した江戸の絵師」展。
はじめて目にしたその作品は、江戸中期の庶民生活を描いた浮世絵のテーマと構図こそ北斎そのものだが、派手な色使いと陰影を強調したやけに太い線が、まるで西洋画家が北斎画を真似て描いたようにも見える。落款も付いていない。
これらは、当時 長崎出島にあったオランダ商館の商館長が、北斎に直接注文をして描かせた作品で、そのままヨーロッパに持ち出されたものらしい。
注文画であったということと、海外向けに日本の生活文化を紹介する浮世絵だったということで、あえて北斎の名を伏せ、作風まで変えたのだろうか。
もっとも、これら展示作品の注意書きには、北斎とその弟子たちによる「北斎工房」作とある。
その他、おなじみの富嶽三十六景や美人画や鯉画も展示されている。
いろいろな想像が膨らむという意味でおもしろい北斎展だ。
この展示を見た方の意見をぜひ聞いてみたいところ。
言われてみれば、その左肘あたりの黒ずみが、たしかに喪章をつけているようにも見える。
旧千円札の夏目漱石と同じくらい有名なこのポートレート写真が、明治天皇崩御・大喪の礼
(明治45年/1912年)に参加したときのものだったとは今日まで知らなかった。
江戸東京博物館で開催中の「文豪・夏目漱石」では、”漱石文庫”とよばれる生前の蔵書、作品原稿、写真や自筆のノート、手帳、書簡のたぐい、さらには学生時代の試験の答案用紙や通信簿にいたるまで800点ほどが展示されている。
驚くのは、ノートをはじめ至る処に書き付けられた自筆文字の多さ。
つねにペンを動かしながら、頭の中の考えをまとめた人だったことがよくわかる。
罫線のないノートの上にまっすぐに書き連ねた小さな文字や、英文書籍の頁上にスラスラと書き込まれた見事な英筆記文字、学生時代のノートの端には、授業中に描いたと思われるイタズラ描きなども見られる。
どれも読みやすくキレイに書かれているので、ついその内容まで読んでしまう。
気がつくと2時間くらい、すぐに経っていた。
小雨のためか、館内に人は少なめ。
じっくりゆっくり見たいなら、こんな天候の日が狙い目かも。
江戸東京博物館の3階にある屋外テラスは、広くて気持ちがいい。
ここから階上へと延びる赤いエスカレータを見るたびに、「スパイダーマン」を思い出す。
片隅には、ひっそりと「日本初の西洋式溶鉱炉」が展示されている。
明治初頭、新橋駅構内には鉄道施設を維持管理するために、この溶鉱炉と技術者がいたのだという、なんとも素気ない説明書き。
江戸東京博物館は、この3階テラスをぐるっと一周してみて、はじめて敷地のカタチが理解できる。
外からでは、どの角度から見ても、まわりの建物に邪魔されて全体の姿を見渡すことができない。
それにしても、国技館との距離が近過ぎはしないか?
はじめて来た人なら、国技館と江戸東京博物館とは、繋がっているんぢゃないかと思うはず。