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今日からはじまった靖国神社のみたままつり。
ひやかしがてら昼休みに境内を散策していたら、参道の両脇に飾られた無数の献灯の中に、「阿南惟正」の名札を偶然見つけて、ギョっとした。
「最後の一兵となるまで断固戦うべし」と、第二次大戦の最終局面まで戦争継続を唱え続けた,あの陸軍大臣阿南惟幾のご親族か?
自宅にもどって、本棚から半藤一利著の「日本のいちばん長い日」を取り出して索引を調べてみたら、”阿南惟幾”の項と並んで”阿南惟正”の名前があった。ページをめくって本文を読み返してみて、思い出した。
ポツダム宣言受諾が決まり、あと数時間で玉音放送がはじまるという矢先に、割腹自殺する阿南惟幾陸軍大臣が、最後に言い残すセリフが「うちには惟正をはじめ、3人もの男子がいるから大丈夫。私も安心して死んでいける」というものだった。
おそらく長男の方なのだ。
こうして毎年、ここでひっそりと慰霊の灯りを捧げてきたのだろうか。
まだ生乾きの歴史というは難しい。小説の中に収まりきらない生き物なのだ、とつくづく思う。
もともと、人間の手を守るために作られたものではなかったのだ。
幕末 長州藩が、鉄砲を錆びから守るため、兵士の手に手袋を被せたことが「軍手」の起源なのだそうだ。
靖国神社の売店の”軍手売り場”にあった説明パネルに、ひとしきり感心。
売り場のすぐ横には、「銃砲は国の宝。命をかけてこれを守るべし」と軍律が札された第二次大戦当時の加農砲(カノンホウ)が展示されている。
幕末から昭和初頭まで、日本を覆いつくしたこの狂気のイデオロギー。
そうと分かると、「軍手」に手を通すことに、鬼の面を顔に押し付けるような恐ろしさを感じる。
唯一の救いは、実際に売られている軍手の、軍手らしからぬ派手さ。
両手のひらいっぱい、指の先まで、日本地図が描かれているものまである。
これ、便利か?
「君が代」の歌詞の意味というのは、世間一般でどれほど理解されているのだろう。
自分自身に関して云えば、靖国神社で初めて実物の「さざれ石」を目にするまで、歌詞の意味など考えたことが無かった。
それまでは、耳から入ってくる音として、単に歌詞を記憶していたに過ぎなかったのだ。
本殿の中庭にある、その「さざれ石」は、コバルト色に光るいくつもの小石が、寄せ集まって固まった、形の定まらない小さな岩のようなものだった。
このような石が一般に「細石(さざれいし)」と呼ばれ、石灰質と水が豊富にある鍾乳洞の中で、長い歳月をかけて、すこしづつゆっくりと形づくらていくものなのだという。
歌詞の一節「さざれいしの いわおとなりて」という耳が記憶していた”音”が、頭の中で「細石(さざれいし)の巌(いわお)と成りて」という文章に変換されて、はじめてその意味に気がついた。
そして、靖国神社には、いまひとつ「ざざれ石」がある。
本殿正面へと伸びる参道の入り口に架かる最初の大鳥居の下にあるその「さざれ石」は、大人3人で手を廻しても抱え切れないほどの大きさで、まさに”巌と成った細石”だ。
これほどの大きさになるまでにどれほどの時間がかかったのだろう。たしかにこの時間の長さは、「千代(ちよ)に八千代(やちよ)に」としか言い表しようがない。
ようやくこれで、「君が代」の歌詞の意味が理解できた。
「百聞は一見に如かず」、昔の人は上手いことを言ったものだ。
今週半ば、靖国神社前を通りかかった折、「幕末維新展」という巨大な看板を偶然目にした。
看板のサブタイトルが「日本が大きく変わった十年間~安政の大獄150年、明治維新140年」。
2008年の今年が、明治維新から140年目であり、さらには安政の大獄から150年目であったとは、ついぞ思い及ばず。以来、「幕末維新展」の切り口にちょっと感心、その内容にかなり関心をもちつつ、本日ようやく見に行くことができた。
遊就館らしく、「幕末維新展」も戦争と武器をテーマにした展示が中心。
なかでも、戊辰戦争で活躍したゲベール銃や護身用の短筒(リボルバー)の現物、そして安政の大獄、桜田門外の変、戊辰戦争、箱館戦争のようすを描いた絵巻・絵画などの展示品が目立つ。
ちょっとおもしろいのが、安政4年(1857年) 江戸市中の番所に貼り出されたという討幕派危険人物の似顔絵入り指名手配書。
なんと、西郷隆盛(吉之助)、高杉晋作、平野次郎の3名が、顔を揃えて幕府のお尋ね者になっている。
ただ、その悪意溢れるコミカルな似顔絵からは、本気で捕まえようという感じが伝わってこない。
だってこれ、似てないでしょ。
最近、とみに風当たりの強い靖国神社。
そのお守りをカバンの中に入れていつも持ち歩いている。
先日、買い換えたばかりなので、これが二代目のお守り。
理由は、ひとえに大村益次郎先生への憧れから。
参道にそびえる巨大な先生の銅像が、googleマップで
真上から見えることに、さっき気づいて大変
驚いた。